銭湯のおばあちゃんに学ぶオピニオンリーダーの条件
2012 / 05 / 29
首都圏各地の銭湯を巡るようになって、1ヵ月以上がたちました。
銭湯に行くと、当たり前のことですが、いろんな方の衣服や化粧を取った姿を見ることができます。そこで気づくのは、若い女性の肌や体つきに比べ、年配の女性のそれらには個人差がかなり大きいことです。年齢を重ねれば重ねるほど、その人の生き方が身体に表れるのだなぁと、しみじみ感じさせます。
さらに、年配の女性の中にも、驚くほど若々しく美しい方が一定の割合でいることに気づきました。例えば、肌がなめらかで、顔の輪郭が引き締まっていて、背筋もぴんと伸びていて…そのような方が銭湯に行くと一人はいるのです。
先週銭湯に行ったときも、70歳前後の美しい女性がおられました。その方は、同世代のグループの中にいましたが、メンバーと談笑しながらも、さりげなく顔のマッサージをされていました。すると、隣にいた方が、その女性に「いつも綺麗ね。何を使ってるの?」と聞きました。「○○っていう石けんを使ってるのよ」その女性が答えると、向かいにいた方が、「そうそう、○○さんに教えてもらって、私も使ってるのよ」と言い、さらにその隣りの女性が「あ~、私もこの前使ったけど、なかなかいいわね」と言いました。
その時、気づいたのです。その美しい女性が、そのグループのオピニオンリーダーだということに。
オピニオンリーダーというのは、顧客の購買行動に重要な影響を与える意見や感想を提供する人々のころで、スタンフォード大学のロジャース教授は、その特性について、「コミュニティ外部にある先端的な情報にアクセスできるだけの、能力・知識・地位をもっていること」「コミュニティ内部で、他のメンバーに新しい情報を伝えるだけの、社交性と社会的地位があること」を挙げています。
70歳前後のその女性は、不断の情報収集(娘や孫に聞くとか)と努力(銭湯でもマッサージをするとか)によって、若さと美しさを保ち、そのことによってそのグループ内でオピニオンリーダーとしての確固たる地位を築いたのだと思います。
浴槽から出て行くその女性のすらりとした後ろ姿を見ながら、そんなカッコいいおばあちゃんになりたいものだと思いました。
広告媒体としてのケロリン桶
2012 / 05 / 17
最近、すっかり近場温泉めぐりが趣味になってしまった私ですが、
銭湯に行くと必ず出会うものがあります。
それは「ケロリン桶」。
黄色い風呂桶に赤文字で、内外製薬の痛み止め薬「ケロリン」のロゴが書かれたアレです。
「ケロリン桶」というと、「ああ、懐かしいね」と言われそうですが、
「ケロリン桶」は現在の銭湯でも現役です。
しかもかなり新品に近い状態のものもあるのです。
内外薬品のホームページによると、
ケロリン桶のはじまりは昭和38年、現在までで200万個が納入され、
なんと今でも4、5万個のペースで全国の銭湯等に納入され続けているらしいのです。
一般的に風呂桶が広告媒体としてベストかどうかはわかりませんが、
「風呂桶と言えばケロリン」と認知されたという意味では、
非常に効果的だったのではないかと思います。
ケロリン桶の広告媒体としての成功には、以下のような要因があると考えられます。
①「風呂桶に広告を出す」という発想が(当時としては)斬新だった
②広告媒体であるにも関わらず、強度等の品質に優れていた
③「ケロリと頭痛が治る」ことを連想させるわかりやすいネーミングだった
現在、電車の吊り革や階段など、様々なものが広告手段として使われていますが、
案外思いもよらなかったところに広告のチャンスが潜んでいるかもしれませんね。
<参考URL>
内外製薬株式会社ーケロリン桶の由来
有限会社睦和商事
※ケロリン桶の納入業者さんのようです。ケロリン桶に対するこだわりが素敵!
シェア70%!みんな大好きなアレを作っている会社
2012 / 05 / 14
今日は、私の育った山口県周南市の自慢をさせてください。
「ええっと、何があるの?」「景色キレイそうだね~(=田舎ってコト?!)」
と言われてしまう周南市ですが、
なんと、みんなが大好きなアレの全国シェア70%の会社があるのです!
では、アレのヒント。
1)一年の始めにドキドキするもの
2)神社に行くとつい買ってしまうもの
2)買っても(基本的には)持って帰らないもの
わかりましたか?答えは「おみくじ」!
全国のおみくじの70%は、周南市鹿野地域にある女子道社という有限会社で作られているそうです。
女子道社の成り立ちが、またすごい。明治時代に近隣の神社の宮司さんが、女性の自立を目指す活動をしていたらしく、その資金源として創業したそうです。
詳しくは、「知っ得!しゅうなん再発見 女子道社」をご覧ください。
創業時の想いの通り、今でも近隣の女性たちが集まって手作業で丁寧におみくじを仕上げているそうです。
創業のきっかけ、企業としてのありかた、そしてシェア、
どれをとっても共感でき、応援したくなる会社だなぁと思いました。
ネット販売だからこそ、あたたかさを。
2012 / 05 / 13
今日は母の日でしたね!
実母・義母ともに離れて住んでいる私は、
毎年ネットショップをフル活用しています。
今年は、実母にはアクセサリーを、
義母には(夫と義妹と一緒に)フラワーアレンジメントを贈りました。
そして、今日義母からお礼のメールが…
「毎年贈ってくれるので、お花屋さんが『いつものを届けに来ましたよ』と言ってくれました」とのこと。
見えにくいのですが、
「お母さん、いつもありがとう。いつまでも元気でね。
○○・渚・○○」
と書かれています。
そして、メールにはフラワーアレンジメントの写真が添付されていたのですが、
なんと、私が申し込みフォームに入力したメッセージが、
手書きの綺麗な文字で書かれてピックで挿してありました。
数年前からの注文を覚えてくれてる人がいて、
丁寧にメッセージを書き写してくれる人がいる。
そのことに感動を覚えました。
ネットショップはワンクリックで買い物ができるため、
私たちはその裏にいる人たちの存在を忘れがちです。
でも、お客様が注文してから、商品が手元に届くまでには、
実は多くの人々の手がかかっています。
商品を揃える人、包む人、伝票を書く(出力する人)、運ぶ人…
いつもは意識していませんが、
ふと、その人たちの存在に気づくときに、
えも言われぬ感動を覚えたりします。
数多くのネットショップを利用してきた私ですが、
心に残るのはどこかで「あたたかさ」を感じるお店です。
ネットショップは、簡単でお手軽。
だからこそ、「あたたかさ」を伝えることで、
お客様の印象に残るお店にしていきたいですね。
名刺忘れを防ぐ方法
2012 / 05 / 12
この前ひやっとしたことがありました。
初めて行ったお客様と名刺交換をしようとしたところ…
名刺入れがないっ!
かなり焦りましたが、
こんなこともあろうとお財布に予備の名刺を入れていたので難を逃れました。
そして、結局家に帰った後、
バッグの底に名刺入れが隠れていたのを発見しました…
あの焦りは何だったのか。
今回のことで、名刺忘れを防ぐ方法をいろいろ調べてみましたので、
参考までに。
<名刺忘れ対策>
1)名刺入れだけでなく、財布や手帳に名刺を数枚入れておく。
2)いただいた名刺をしまう時に、同じ数だけ自分の名刺を補充する。
3)仕事でも個人でも使える汎用の名刺を作っておく。
4)バッグの中の定位置に名刺入れを入れるようにする。
<名刺切れ対策>
1)名刺が入っている箱の下から10枚目あたりに「そろそろ発注してください」とううことを表す色紙を入れておく。
2)名刺をプリンターで印刷できる用紙を持っておき、いざとなったら使えるようにする。
ちなみに私の名刺はこちらで注文しています。
知り合いがデザインも注文したようですが、値段も安くデザインも良かったようです。
くのいちごーごー
「良い考え」「悪い考え」を擬人化してみると
2012 / 05 / 10
学生時代、江戸時代の文学を研究していました。
中でも、黄表紙と呼ばれる大人向けの絵本(今で言う漫画のようなもの)が大好きでした。黄表紙の挿絵はユニークなものが多いのですが、中でも印象的だったのが、山東京伝の『心学早染草(しんがくはやそめぐさ)』。人の心の中にある気持ちを擬人化して「善玉」「悪玉」と呼ぶ、という視点が斬新でした。
上の絵では、花魁のもとから帰ろうとする客の袖に、悪玉が「もっと居続けようよ」としがみついています。反対側では善玉が「やっぱり帰らなくちゃだめだよ」と引っ張っています。悪玉3人に対して善玉1人ですから、この客は本心は花魁のもとにいたいのでしょう。
これは江戸時代の黄表紙の話ですが、今でも、心の中のもやもやした気持ちを擬人化してみると、すっきりすることがあります。
私たちのような自営業者は生活の浮き沈みが激しいので、わけもなく落ち込んだり自信を無くしたりすることもあります。でも、そのような時も「落ち込み玉」とか「悲観玉」のようなやつらが勝手に自分の心の中に入ってきて気持ちを荒らしているだけだ、と考えるようにすれば、少し気持ちが晴れて来たりもします。
日本の昔話に出てくる鬼や妖怪も、人間の心の中にある邪気を擬人化したものだと聞いたことがあります。(能で女性の妄念が鬼として姿を表すのは典型的ですね)だからこそ、節分行事を始めとする鬼や妖怪を追い出す行事も、自分たちの心を綺麗にしようという目的があったのかもしれません。
現代では、さまざまな心理療法が普及してきているものの、「みんなでわいわい邪気を払う」というシーンは少なくなってきているかもしれません。個人的には、邪気払いをもっとオープンなものにすれば、心の病も少し減るのでは…と思っていたりもするのですが。
私が出会ったスゴイ人(3)話の引き出しが多い美容師さん
2012 / 05 / 07
私の苦手なことの一つに、
「会ったばかりの人と当たり障りのない会話をすること」
があります。
あまりに苦手なもので、
誰とでも 15分以上 会話がとぎれない!話し方 66のルール
なんかを買って読んだりもするのですが、
なかなか難しいものです。
さて、そんな私なので、
当然美容院で美容師さんと話してもいまいち盛り上がらないので、
いつも前に置かれた雑誌をひたすら読んでいました。
ところが、
そんな私を会話で引きつける美容師さんが登場したのです。
その方は、20歳代半ばぐらいの男性。
彼の会話は、
1)質問をして相手の答えを聞き出す
2)その答えに対して相手にメリットのある情報を提供する
というようにプロセスが確立されていました。
さらに、
2)で話してくれる情報が、
まさにかゆいところに手が届くようなものなのです。
地震の話をすれば、非常袋に入れておいたほうがいいものを教えてくれる。
「今度長崎に行く予定だ」と言うと、長崎で行っておいたほうがいい観光地を教えてくれる。
きっと彼はもともと引き出しが多いのと同時に、
本や雑誌で読んだ情報や、お客様との会話で出てきた情報を
すべてその引き出しにしまっているのだと思います。
日々の経験をすべて「ネタ」だと意識し、記憶しておくことで、
どんな人に対しても有意義な会話ができるようになるのではないか、
と思いました。
ゴールデンウィークも終わり、慌ただしい日々が始まりますが、
そのようなことにも気をつけていきたいと思います。
「超定番」に勝つには
2012 / 05 / 01
世の中には、
「失敗しない」「これさえあれば」「超定番」「殿堂入り」
といったキャッチフレーズがついているものが多数あります。
ハワイのお土産だったらマカデミアナッツチョコレート。
プレゼン用のパソコンならパナソニックLet’s NOTE。
どうも無難で個性に欠ける選択だなぁと思いつつ、
やっぱり多くの人が選ぶものは間違いないともつくづく思います。
全く同じような商品ABが並んでいて、
Aに「楽天○○アワード1位」「アットコスメ○○部門1位」と書いてあれば、
ほとんどの人はAを選びますよね。
そうすればさらに「売れる商品だから売れる」という現象が生じます。
クチコミに消費者が左右される時代は、
ロングテールであると同時に、
弱肉強食の時代だと思います。
だとすれば、
B(弱者側)は、
少数のターゲットに絞って、彼らに対してガツンとくるキャッチフレーズで、
A(強者側)と勝負しなくてはいけないんですよね。
それはそうと、
最近エクササイズ界の「超定番」、
NHKラジオ体操にはまっています。
しぶとい肩凝りに悩まされている私ですが、
ラジオ体操をするとかな~り和らぎます。
第一だけなら3分ちょっと。
おうちでの作業の合間にいかがでしょうか?